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第二外国語 科目紹介(ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語・スペイン語)
 東工大では未修外国語の学習はきわめて重要で意義のあることと考え、ドイツ語フランス語ロシア語中国語スペイン語の5ヶ国語のうちいずれかを必修科目として履修するように指定しています。

 なぜ第二外国語を学ぶのか
① 国際化が進む状況にあって、今後皆さんが自国以外の人々と交流したり、海外で活躍したりする機会はますます増えていくでしょう。真の国際人となるためには、世界には多様な文化が存在するという事実を認識し、自国の文化や社会とは異質のものに積極的に心を開いていく柔軟な姿勢が必要になります。英語が地域性を越えたグローバルな言語としての地位を確立している現在、母語と英語以外の第三の言語を学ぶことこそが、自分のこれまで知っていたものとは別の文化や社会を知ることにつながるのです。また、他の言語と文化を知ることは、日本語と日本の社会や文化の特質を客観的に見直すことにもなります。

② EUやアジアなど英語圏以外の国々との交流はこれからも増え続けるでしょう。今後は専門の知識と併せてこれらの国の言葉を使いこなすことができる人材が求められるようになります。また東工大は英語圏以外にもヨーロッパやアジアの大学と交換留学の提携を結んでおり、実際にヨーロッパ圏、アジア圏の大学に留学する学生もますます増えています。第二外国語科目の学習が皆さんにとって、そのような機会に目を開く糸口になればと願っています。

③ 英語力の強化という点から見ても、もう一つの外国語を学習することは有意義です。未修外国語を短期間でひととおりマスターすることによって、外国語学習の方法をもう一度自分の中で意識化し、英語の基礎を新たな目で見つめ直すことができるからです。

 どんな授業が用意されているのか?
① 「初級」1・2・3・4において「読む・書く・聞く・話す」の土台となる文法を体系的に学びつつ、それぞれの言語の背景にある文化・社会に親しみます。

② 「中級」では「辞書を使えば簡単な文献が読める程度の読解力」を身につけます。また、ネイティヴ・スピーカーによる会話クラス「セミナー(入門・基礎)」が設けられ、「日常生活における最低限のコミュニケーションができるような、聞く・話す能力」を身につける機会を提供します。

そのほか、さらに外国語を学び、能力を伸ばしたい学生のために、さまざまな自由選択のコース(「上級」、「セミナー(応用・留学)」、大学院生向け「文化演習」)が設けられています。

*東工大のドイツ語フランス語ロシア語中国語スペイン語はいずれも、このような考えにもとづき、授業を行っています。少なくとも1年間は取り組むことになる未修外国語。できれば、皆さん本人の興味に応じて、選んでいただきたいものです。そこで参考までに、簡単ではありますが、各言語の特色を以下にまとめておきましょう。

ドイツ語 
 ドイツ語はインド・ゲルマン語系の言語であり、現在ドイツ、オーストリア、スイス等で話されています。英語とは親族関係にあり、ドイツ語を学ぶことによって、英語の理解も一層深められます。ドイツ語圏の中心となるドイツは中欧最大の国であり、西欧と東欧を結ぶ重要な地理的・政治的位置を占めています。またドイツは明治以降日本の近代化のあらゆる面での手本となり、特に科学技術や国家・社会制度については、近代日本の成立と発展に絶大な影響を与えました。同時に、オーストリアやスイスともども、文学・哲学・音楽といった文化的な面でも、日本のみならず全世界に多大な貢献をしてきました。ドイツは現在、環境と社会保障を配慮した政治経済を推進しており、EUの中枢国としても指導的立場にあります。今も我々が学ぶべき点の多い国と言えるでしょう。毎年十数名がドイツやスイスの大学に交換留学しています。
フランス語 
 フランス語はラテン系の言語で、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語などと兄弟関係にあり、英語にも大きな影響を与えています。英語の隆盛以前にヨーロッパの外交語だった伝統は今も根強く、国連などの国際機関、オリンピックなどの国際行事で、英語につぐ公用語とされています。またフランス語圏の広がりは大きく、英語についで2番目に多くの国・地域で公用語にもなっています。フランス人はこの言葉を美しく磨き上げ、「明晰でないものはフランス語ではない」と誇るほど洗練させました。文学・芸術の国フランスは、同時に先端的な科学研究も盛んです。週1回の初級授業では、その豊かな世界の入り口までしか紹介できませんが、希望者はさらに中級、上級、会話、文化演習クラスに進んでください。フランス語圏の名門校との交換留学、フランス政府給費留学なども夢ではなくなるでしょう。初級クラスでは、外国語が苦手な人でも楽しみながら学べるよう、基礎的な発音練習から始め、生きたコミュニケーションに触れていきます。
ロシア語 
 ウクライナ侵攻が始まって以来、ロシアという国の印象はすっかり悪くなってしまいました。ただし、ロシア語はウクライナやベラルーシ、バルト三国、そして中央アジアなど、ロシアの周辺諸国で広く使用されています。今後東ヨーロッパとユーラシアの情勢は大きく変化することが予想され、その時にロシア語はますます重要な言語になると言えます。
 音楽や文学などの芸術文化のみならず、宇宙開発に代表される科学技術、寒冷地に独特の珍しい植生やマンモス、独特な鉱物や地質など自然科学の分野でもロシアには豊かな財産があります。実際に周期表を発見したメンデレーエフのような偉大な科学者を多数輩出してきました。東工大の図書館にはロシア語の科学技術文献が多く所蔵されていますが、それらの中には未だ世に知られていない価値ある研究があるかもしれません。
 初級の授業では、基礎的な文法事項をひととおり修得します。並行して初級会話のクラスを選択し、実践の訓練をするとより効果的です。中級以降のクラスでは自分で辞書をひきながらテキストを読解する訓練をします。動画などを用いてロシアの生活、文化、科学技術を紹介します。
 ロシア語は独特な文字を持ち、英語や日本語とも異なる文法と発想を持っています。それゆえ難しいと感じるかもしれませんが、論理的な思考に強い理系の学生にとっては面白い言語でもあります。ただし、ロシア語そのものは難しいですが、単位を取るのは他の言語より厳しい、ということはありませんので、その点は安心して選択してください。
中国語 
 悠久の歴史、広い国土、そして十三億の人口を持つ中国。そんな中国は今、さまざまな問題を抱えながら高度経済成長を続け、これまでにない存在感を示しています。そして、グローバリゼーションの下で、日本をはじめとする近隣諸国との間に摩擦を起しながらも伝統とはまた違う新たな経済、文化圏を形成しつつあります。日々の話題に欠かせない、さまざまな顔を見せている、近くて遠い国――中国をどう理解し、どう把握するのかはもはや避けられない大きな課題の一つとなっています。中国語を習うことは、中国の歴史、文化、またそのさまざまな現実を知る第一歩でしょう。中国語は中国大陸のほか、台湾、香港、シンガポールなど一部の東南アジアの国でも公認され、世界で一番使用人口の多い言語でもあります。東工大は、清華大学との間に大学院共同プログラムを持つほか、多数の名門校と学術交流協定を結んでいます。そういう国際交流に参加するためにも中国語は役に立つことでしょう。
スペイン語 
 スペイン語はスペインそして中南米の国々(ブラジル以外のほとんど)で話されています。それに加えて、スペイン語圏出身の移民の多いアメリカ合衆国、そしてアフリカの一部でも話されています。また、アジアでもごく一部ですがスペイン語が話されていて、他にもスペイン語の影響を受けている言語があります。単純に広い地域で多くの人々に話されているのに加え、音楽や映画などの文化の世界でも、そしてサッカーをはじめとするスポーツの世界でも、スペイン語は重要な言語です。さらには、ヨーロッパ言語の源流ともいえるラテン語に比較的近いため、ラテン語の文法や語彙に触れる機会も与えてくれます。東工大では2020年度から第二外国語の仲間入りをしました。発音も日本語に比較的近く、とっつきやすいのは確かですが、もちろん習得するのは大変です。カリキュラムは、皆さんになるべくゆっくりとしかし着実に、スペイン語そしてスペイン語圏の文化や社会について、学んでいってもらえるように組んであります。教員一同、スペイン語の授業が実りあるそして楽しい時間になるよう、努力して参ります


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